需給調整計画の進め方

需給調整計画はいつ誰が作成するのか

需給調整計画は、月に一回、生産部門の責任者、販売部門の責任者、財務部門の責任者など、それぞれの部門において経営的な立場にある人が一同に会して、当面の経営に関係する月単位の数字を決定します。通常は、3か月程度先の数字を決定し、それが翌月、翌々月になるにしたがって、なんどか見直され、当月の計画となります(これをローリングと呼びます)。

ここでは、生産数ではなく、販売単価に換算した生産金額を扱うなど、すべて金額ベースの議論からスタートするのが一般的です。販売部門は、どれだけ売るか、生産部門はどれだけ作り、そのためにどれくらいの金額の資材を仕入れるか、そしてその期に在庫としてどれだけの金額が繰り越されるかなど、金額ベースで議論することで、財務的な計画とリンクすることができます。

ただし、需給調整計画でもっとも重要なことは、販売部門が予定する数の生産を生産部門が実際に生産できるか、あるいは効率的に生産できるかの確認をとり、必要ならそのための事前の手配を行なうことです。つまり、需要と供給のバランスをとることが需給調整計画の最大の目的となります。以下のツールの説明では、需給計画画面で仮に設定した計画数に対応して、実際に生産計画がどのようになり、そしてそのための生産能力に過不足がないかを検証しています。

計画同期生産ツールで、生産計画のタブを選択すると、以下のような月単位の計画を作成するための計画画面が表示されます。対象年月には、あらかじめ当月が自動設定されています。まずは①初期化のボタンをクリックしてください。需給計画のテーブルにはカテゴリが、生産計画のテーブルには品目が、能力計画のテーブルにはエリアが設定されます。

需給計画として生産金額を設定する

続いて、②データ読込ボタンをクリックすると、需給計画、生産計画、そしてエリア別稼働日数のデータが読み込まれます。また、過去の販売実績も読込まれます。これらのデータは、需給計画、生産計画のそれぞれの行のそれぞれの月に転記され集計されます。

この段階で、需給計画のテーブルには、過去の販売実績にもとづいたカテゴリ別、月別の販売金額、そして、過去に作成したそれぞれの計画数が設定されています。ここで、比率は、計画に対する実績の割合を%で示しています。さらに、計画に満たない場合、計画の80%に満たない場合は色をかえてあります。

需給計画画面では、当月および過去の販売実績、生産計画との差異などを勘案し、翌月以降の計画数を入力してください。前回の計画において、すでに翌月あるいは翌々月の計画が設定されている場合には、それを修正することは可能です。ただし、その場合は、再度、その月の生産能力や資材在庫の状況を確認する必要があります。

生産品目ごとの生産数を決定する

需給計画のテーブルでは、カテゴリごとの生産金額を計画値として用いていしました。これに対して、左下にある生産計画のテーブルでは、品目ごとに生産数量単位で表示しています。このためには、各品目の構成比率データと、販売単価データをもちいます。つまり需給計画数×構成比率÷販売単価によって、生産計画画面の販売数(需給計画によって設定した計画数)を決定します。③品目展開ボタンをクリックすることで、以上の操作を自動で行うことができます。

以下の図では、品目展開を行った結果として、生産計画のテーブルに販売数が設定されています。これに対して、各品目の生産数を新規に設定してください。すでに前回(前月)の計画のときに数字を設定してある場合は、必要に応じてその数量を変更することもできます。ここで設定された生産数に応じて、各月の月末の在庫数が計算されています。在庫数をコントロールすることで、個々の品目の生産数の平準化や、生産能力のラフな山積み山崩し(ラフカット能力計画)に対応するおとが可能となります。

生産能力と生産数とを突き合わせる

月単位でのラフな能力計画(ラフカット能力計画)を行なうにあたり、まず各月の各ラインにおける生産能力を定義しておきます。ツールでは、あらかじめ工場全体としての月ごとの稼働日数が定義されてあるものとして、対象となる月を稼働日数のテーブルで選択することで、エリア別の能力値が表示されます。もし、データが表示されない場合には、稼働日数ボタンをクリックしてください。ここで、稼働日、稼働時間、能力数の初期値は稼働日数のテーブルおよびエリアのマスターにある値が設定されますが、変更することが可能です。

各ラインの能力のパラメータを設定したら、④負荷山積ボタンをクリックしてください。右下の能力計画のテーブルに、必要数、基準値、負荷率がそれぞれのエリア、それぞれの月で表示されます。ここで、必要数は、生産計画のテーブルにおいて指定した生産数を、品目資源データをもとに、その月の工数を計算し、該当するエリアに積算したものです。エリアからすれば、そのエリアを利用する生産品目は複数あるため、それらの要求された生産をすべて実行するために必要な時間となります。

一方、基準値は、そのエリアのその月の供給可能な能力を時間で表したものです。(工数ベースなので、かならずしも1日24時間の実時間ではなく、それを超える場合もあります。)この値は、月ごとの稼働日数、基準時間、能力数によって決定します。負荷率は、この基準値に対して、必要数(実際の生産予定の作業量)がどれくらいあるかを%でしめしてもので、50%を下回った場合、110%を超えた場合、そして150%を超えた場合に、それぞれ色で識別できるようにしてあります。

計画担当者は、この能力計画のテーブルを見ながら、負荷が一定となるように、生産数量、あるいは稼働日や能力値などを月単位で設定していきます。こうして、需給調整計画では、最終的に、月ごとカテゴリごとの生産数、月ごと品目ごとの生産数、そして月ごとエリアごとの稼働予定(稼働日、基準時間、能力数)を決定します。

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