基準日程計画を作る

日々の稼働カレンダーを設定する

需給調整計画が月単位の生産数を決定していたのに対して、ここでは日単位の計画数を決定していきます。すでに、月単位の稼働日数を定義してますが、具体的にどの日が休日でどの日が稼働日であるかについては工場ごと、月ごとのカレンダーに依存します。したがって、まずは、実際のカレンダーにあわせて、休日を設定してください。まず、①カレンダ生成ボタンをクリックし、カレンダデータを初期化します。この時点で、もし以前に作成されたカレンダー情報がある場合は、それが読み込まれ設定されます。

カレンダー情報を定義するには、まず稼働カレンダのテーブルの左上の編集モード切替アイコンをクリックし、編集モード(鉛筆アイコン)に変更します。そのうえで、カレンダー上の休日の部分にカーソルを移動し、1を設定してください。”休”マークが色付きで表示されます。なお、同様にして0を設定すると、休日ではなく稼働日を表す”-”となります。

日程計画を作成する

計画同期生産ツールでは、日程計画のテーブルが基準日程計画に相当ります。つまり、最終的に得意先に販売する品目の日々の生産数(完成日ベース)を表す情報が、日程計画のテーブルです。日程計画のシートにおいて、②日程計画の作成ボタンをクリックしてください。これによって、すでに月ごと品目ごとに決定した生産計画数をもとに、稼働日数で単純に日割りした数が、休日をのぞく各日付に対して設定されます。

また、前月末の時点での在庫数を、おなじく生産計画の結果から取得し、その数値を起点として、各日の計算上の在庫数が表示されます。なお、日程計画のテーブルには、計画日の当月の1日からデータが表示されており、本来過去の日付については、要求数および生産数は実績値であるべきですが、ツールでは見込値をそのまま利用しています。

明日以降の当月および翌月以降について、生産計画で作成した生産数が要求数として日々与えられた場合、現在の在庫はいずれなくなり理論的にマイナスの値となります。日程計画テーブルでは、在庫数がマイナスになった場合、および在庫数が基準数を下回った場合に表示色が変わり、計画者に通知するようになっています。したがって、日程計画で行うべきことは、在庫がマイナスにならないよう、あるいは基準値を下回らないように生産数を設定することです。

ただし、実際に工場で生産を行なう場合には、ある程度の数をロットとしてまとめて生産をする場合がほとんどです。この製造ロットサイズは、単位数に設定されています。したがって、生産計画のテーブルにおいて、生産数の行に設定する計画数は、この単位数を加味した数としてください。たとえば、以下の図の品目10001の単位数は100ですので、生産数を1と設定した場合に、実際に生産される数は100個となります。

生産数を設定することで、在庫数が補充され、在庫数がマイナスあるいは基準値をしたまわる部分が解消されます。この操作を、すべての品目について翌月、翌々月、そして3か月先まで行ってください。

MPSに対応した構成部品の確保

日程計画(基準日程計画)の作成作業がひとまず終わったら、その計画が実際に実現可能かどうかを確認します。まずは必要な構成品の在庫が存在するかを確認するために資材所要量計算(MRP計算)を実行します。「③在庫計画の作成」ボタンをクリックしてください。これによって、日程計画にある生産数のデータを用いて、資材所要量計算が実行され、その結果が在庫計画のテーブルにある所要量の行に表示されます。

資材所要量計算では、マスターデータとしてあらかじめ定義した品目データおよび品目構成データを利用します。まず、品目データにある先行日数だけ日付を過去にオフセットします。そして、その品目を利用する構成品目のすべてについて、計画数と構成数を掛けた数を所要量とします。構成部品側からすると、複数の親(販売品目)が存在する場合には、それらの合計値が所要量となります。

在庫計画のテーブルには、品目のなかで販売品目でないもの(MPSにチェックがないもの)が表示されています。これらは従属需要(得意先から直接注文がないが、構成の親品目によって間接的に要求されること)に対応して数量が消費されます。しかし、計画の方法は同じであり、初期在庫を前月末の在庫数とし、従属需要に対応して理論的な在庫がマイナスあるいは基準数をしたまわらないように手配数を設定していきます。

なお、このツールでは、ここで設定する手配数に対応して、さらに構成部品を展開して繰り返し所要量展開を行なうことはしません。したがって、多段階の部品構成がある場合には、最終製品レベル、構成品レベルの2つのレベルにあらかじめ割り切って計画をすすめる必要があります。(ただし、次の節で説明するように、能力については、この構成品を生産するために十分な能力があるかを判定しています。)

負荷の山積み山崩し

負荷計画のテーブルでは、日程計画、在庫計画それぞれのテーブルにて、生産数、手配数として設定した内容に対する設備の負荷を計算し、実際にその計画どおりに生産が可能かどうかを理論的に検証します。このテーブルで、負荷量は、日程計画の生産数、在庫計画の手配数に対応して、先行日数だけオフセットした日付に対する工数を合計してものです。工数の計算は、設備に設定された段取工数と標準工数を用いて、段取工数+標準工数×生産数となります。

これに対して、能力数は、初期値は0となっています。これは、各設備にあらかじめ設定された能力数に対して、プラスもマイナスもしていないという意味であり、たとえば図の例で設備50001の能力数3が各日程の基準数となります。もし、その日の能力が不足している場合には、ここに1を設定することで能力値は3+1=4となり、合計で480分×4=1,920分となります。

最後に負荷率は、提供可能な能力値(工数の合計値)に対して、要求された生産能力の割合を%で示したもので稼働率に相当します。100%を超えると過負荷、100%を下回ると実行可能ですが、低すぎると設備や作業者を無駄に配置していることになります。ここでは50%をしたまわる場合、110%を超える場合、150%を超える場合に色を変えることで計画者に通知します。

負荷計画により、負荷が大きい(または小さすぎる)設備や日付について、それを解消するためには、能力数を調整し、機械や作業者の配置を変更する方法や、その負荷の原因となっている生産の日程を変更することも可能です。実際には、各生産は、先行日数だけ前倒しして計画しているため、過負荷な日付の直後に余裕がある場合などは、現場の判断で負荷を前後の日にシフトすることも可能となります。こうして、在庫計画における手配数(手配日)や、日程計画における生産数(生産日)を、さかのぼって変更することで最終的に効率のよい生産計画とすることが、基準日程計画を作成する際に求められます。

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