ツールを使った計画業務の大まかな流れ

計画同期生産の理論を学ぶ前に、まずは、具体的なデータの例を用いて、計画業務の大まかな流れを追ってみることにしましょう。

計画を立てるにはどのような情報が必要なのか

計画を作成するために必要な情報には、どのようなものがあるのでしょうか? 以下の画面は、計画を作成するうえで、まずこれだけは重要と思われる代表的なものが設定されています。まず、なにより重要なのが、部品表(BOM)です。一般に、部品表は、品目マスタと構成マスタによって表現されます。構成マスタには、親品目の品目IDと、それを構成する子品目の構成ID、そして構成数を定義します。

もうひとつ重要な情報が、工程手順情報です。工程手順情報は、それぞれの品目を生産するにあたって、どういった生産資源(生産エリア、生産設備など)を必要とするかを示します。ここでは、あえて階層をもうけ、エリア情報は、工場全体をいくつかのエリアに大きく区分したもの、設備情報は、エリアにあってさらに個別の生産資源として管理すべきものとしています。この階層にしたがい、工程手順情報も、手順マスタ(品目とエリアの関係)と工順マスタ(品目と設備の関係)にわけて定義しています。(さらに詳しく...)

 

月単位の計画で全社を統合する

生産計画は、月単位の計画と日単位の計画があります。月単位の計画は、大ざっぱな反面、ある程度遠い将来(3か月以上先)の計画も手たることができるというメリットがあります。したがって、まずは、月単位の計画を作成しましょう。以下の図で、需給調整計画は、製造部門が販売部門の販売予測(目標?)にしたがって個々の製品カテゴリ別に生産数(金額ベース)を決定するものです。

需給調整計画は、カテゴリ別(ここでは製品シリーズ別)に大ざっぱな数字を決定するのに対して、左下の生産計画では、個別の製品単位で月ごとの生産数(数量ベース)を決定しています。さらに、右下の負荷計画では、生産計画で設定した生産数を実際に行うために各生産エリア(作業区など)でどれくらいの工数(時間)が必要かを確認しまう。工数が実際によりも多い場合は、左上の生産能力の表で各生産エリアの稼働日数、能力数(人数や台数など)を調整します。(さらに詳しく...)

基準日程計画を作成する

月単位の生産数が決まったら、いよいよ基準日程計画の作成です。基準日程計画は、製品ごとの日ごとの生産数(完成数)です。まずは、月単位の生産数を、稼働日数で単純に配分しましょう。休日や非稼働日は除きます。各製品の生産数の部分には単位数(製造ロット)を何個生産するかを記入します。在庫がない場合や、基準数を下回ると色が変わって知らせてくれます。

基準日程計画を作成したら、次は構成品の生産日程の決定です。基準日程計画どおりに生産を行なうと、その構成品である資材や部品が必要となりますが、その在庫がなければなりません。そこで、基準日程計画でおこなったのと同じ要領で、構成品の手配数を決定します。構成品が購入品であったり、外注加工品である場合は、購入伝票や内示伝票の元ネタとなります。

最後に、設備の作業負荷計画です。基準日程計画や構成品の生産日程計画にある生産を実施するにあたり、必要な設備の能力が十分にあるかどうかをここで確認します。能力数は、人数または機械台数などです。この結果を見て、一時的に負荷が高い場合には、他のラインから応援を要請する必要があります。(さらに詳しく...)

販売部門による生産座席予約

基準日程計画は、翌月以降の生産分について作成します。一方で、当月、あるいは今週の予定などは、すでに購買や外注手配、そして社内の製造現場への手配などが住んでいる場合が多く、計画を変更できない期間が存在します(この期間を固定ゾーン、あるいは取引ゾーンと呼びます)。この期間では、計画数は固定となり、そこで生産予定の数量に対して、販売担当が個別に予約をしていくという、生産座席予約が行われます。

以下の図では、固定ゾーンまたは取引ゾーンにおいて、予約可能数が表示されており、販売担当は、その範囲の中で、得意先からの注文に対応した出荷予約を行います。取引ゾーン以降の部分は、これから生産手配が可能であるので、可能数の制約はなく、色付きの0が設定されています。(ただし、出荷できる保証はありません。だめな場合は、追って生産部門から連絡があるでしょう。)(もっと詳しく...)

販売実績の確認

最終的に得意先へ販売を行った内容は、販売実績として蓄積されていきます。この販売実績データは、当初作成した計画との対比、今後の計画作成のための需要予測、カテゴリに対する各品目の比率の計算、安全在庫の再設定など、さまざまな管理に活用することができる重要なデータです。

以下の図では、販売実績を、得意先別、営業担当別に月別に集計しています。ここでは、計画の対比はおこなっていませんが、過去の販売の推移をこうしたさまざまな軸によって分析し、問題の早期発見、提案型の営業活動などを進めていくことが可能となります。また、販売予約として、その時点での受注残がどれだけあるかについても合わせて検討に利用することが可能です。(もっと詳しく...)

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